「ライフプランニングシート(キャッシュフロー表)」の作成手順を説明します。ライフプランニングシートを作成すれば、自分や家族が何歳のときにどんなライフイベントを迎え、いくら必要になるのかが一目でわかります。

1.年間の収入と支出を把握する

年間収入とは、収入金額から税金や社会保険料を差し引いた手取りの金額をいいます。自営業者は、税金・社会保険料のほかに必要経費も差し引いて計算します。会社員は給与明細や源泉徴収票、自営業者は確定申告書などで確認できます。

年間支出で確認しておきたい項目は以下のとおりです。

  • 基本生活費(食費、水道光熱費、通信費、日用品費など)
  • 住居関連費(住宅ローン、管理費・修繕積立金、固定資産税、家賃など)
  • 車両費(駐車場代、ガソリン代、自動車税など)
  • 教育費(学校教育費、塾・習い事の費用など)
  • 保険料(家族全員分)
  • その他支出(レジャー費、交際費、冠婚葬祭など)

こうした毎月の支出だけでなく、帰省費用など年に数回発生する支出も書き出して、各項目の年間支出を計算します。

年間収入から年間支出を差し引いた金額が1年間で貯蓄に回せる金額です。計算結果がマイナスの場合、家計は赤字になっているので支出の見直しが必要です。

2.家計の資産と負債を把握する

現在の資産と負債を確認して、家計のバランスシートを作ります。
資産は現金や預貯金のほかに、貯蓄型保険や金融商品(株式、債券、投資信託など)も含まれます。また、持ち家も資産となるので、現在の市場価格がいくらかを調べておきましょう。なお、負債には住宅ローンや自動車ローンだけでなく、カードローンや奨学金の返済なども含まれます。

資産合計から負債合計を差し引いた金額が「純資産」で、家計の健全度を表します。まとまった資産があっても、純資産がマイナスの場合は要注意です。早期にマイナスを解消できるように、計画的にローン返済を進める必要があります。

3.今後のライフイベントとかかる費用を見積もる

現在の家計状況を確認できたら、今後20年程度のライフイベント(家族全員分)を書き出し、かかる費用を見積もります。特にまとまったお金がかかるのは、「住宅購入費」と「教育費」です。一般的なライフイベントだけでなく、自分や家族の夢・目標についても考え、実現に必要な費用を見積もりましょう。
将来の費用を正確に予測するのは難しいので、ざっくりで構いません。まずは目に見える形にして、将来の生活を具体的にイメージすることが大切です。

4.ライフプランニングシート(キャッシュフロー表)を作成する

現在の年間収支と資産負債、ライフイベントについて整理できたらライフプランニングシート(キャッシュフロー表)を作成し、将来の家計予測を確認します。
「現在の家計でライフイベントを迎えても問題はないか」「夢や目標は実現可能か」「将来赤字にならないか」などがわかります。また、ライフイベントや夢・目標は変わることもあるので、必要に応じて見直しが必要です。